「霧ケ峰」をお使い頂いたお客様からのコメントです。



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    「かないまるHP」金井様からの試し打ちご感想メールです。

昨日、新作「霧ヶ峰」を拝受し、本日、夕食に試打ちさせていただきました。
いやー、これはまたまた美味しいですね。
まずそのかみ応えの見事さに驚きました。かなりかみ応えがありますが、硬いのではなく全部弾力になっているところが新しいと思いました。

例によって生粉打ちしましたが、加水率が書かれていなかったのでそば粉にまかせて打ったところ、水を55%も飲み込みました。試打ちした粉の中では多加水の部類かもしれませんね。

生地も押すと濡れ、放置すると乾くのが極端という初めての挙動をしていました。押すとここまで粘り、押さないとサラサラになる生地はかつて出合ったことがありません。

庖丁で驚いたのは、全く蕎麦が切れないことです。素人の少量打ちでは畳みの回数が少ないので内側で折れて切れるところが多いのが普通ですが、なんとその内側のほとんどの部分が折れないでつながっていました。茹で上がりの麺長は、過半数が60センチを超えていました。

生地も切り上がった生麺も相当柔らかい印象でしたが、茹で上がった麺はダレてしまうことなく、冒頭書かせていただいたように、まず口にして弾力感に驚きました。

ここまで腰があると、カミさんは「硬い」と一刀両断が普通です。カミさんは群馬出身ですが、群馬の麺は柔らかいのが普通なのでこれはしょうがないのです。実際、白樺はカミさんには最も人気のないそば粉です。
そのカミさんさんが一口食べて「おいしい」といったので、まず驚きました。
「ここまで硬くてもおいしいか」という感じです。

これは弾力感に続き、ふっつりとかみ切れるという面白い特長と、なにより蕎麦自体の美味さが抵抗感をなくしているのでしょう。

私の感想としては、弾力感に続き、かみ切ったと同時に口に広がる含み香、甘み、うま味、のど越し、全てがよろしい感じでした。この蕎麦の持ち味は、このかみ切ったあとの、蕎麦の美味さの交響曲にあると思いました。

この感覚は、自然の食べ物ではよく感ずるものですね。たとえばおいしい枝豆を口にすると、かんだ途端に甘みと香りが広がりますが、この蕎麦はそのような感覚でした。玄ソバの丸抜きをかんだときのおいしさを
蕎麦切りで実現したいということはよく聞く話ですが、このそば粉のそれ
は尋常でなくそれを実現したと思います。

それにしても、玄蕎麦を9段階に分別し、その後に石碾きですか。
いやー、これは製粉会社の自家製粉に対する挑戦状ですね。しかもこれは「勝負あった」と思いました。

「自家製粉こそが蕎麦だ」と豪語する蕎麦屋はあまたありますが、そういう蕎麦屋の99%はおいしいそば粉を仕入れたことがないのだと思います。

残りの1%は、自家製粉のおいしさを開拓して来たでしょう。従来の製粉会社のそば粉は、そういう蕎麦にはなかなか勝てなかったと思います。霧ヶ峰はそれを打破したと思います。

もちろん蕎麦切り自体でもそれはわかりますが、驚いたのはそば湯の味がよいことです。

通常私はそば湯は蕎麦クズを溶いて加えていますが、ゆで汁の底のどろをすくってみたところ十分に味が濃いので驚きました。通常はどろをすくって糊感はでますが、味は特に濃くないですから。
これが「味の濃い小粒もしっかり挽いてある」ということの現れなのでしょうか。

それにしても、霧ヶ峰、おいしかったです。高山さんの「蕎麦のおいしさの新境地をめざすたゆまぬチャレンジ」に大拍手です。