篩の役割とは

ソバの実を石臼で挽くだけでは、ソバ殻や粗い粉が残ったそば粉になってしまいます。これを防ぐため、一定のメッシュの篩に通し、ソバ殻、粗い粉などを除去したものをそば粉にします。

篩の使用目的

【ソバ製粉工程】
篩を使用する目的は、製粉方法によって異なります。

・石臼挽き
石臼挽きでは、一番粉から四番粉まで全てを挽き込みますので、ソバ殻など粉にならない部位を取り除くために篩を使用します。ただし、そば店によっては、篩をあえてかけない「無篩」のそば粉でそば打ちを行っている場合もあります。

・ロール製粉
鉄でできた2つのローラー間を通過させて挽くロール製粉では、一番粉や二番粉、三番粉、四番粉などを分別するために篩を使用します。

【そば打ち工程】
そば打ちの際、そば粉やそば粉と小麦粉を混ぜる工程で篩を使用すると、ふんわりとした状態になり、加水時に水が浸透しやすくなります。

そば打ちに使用して残った打ち粉は篩に掛けた後、密閉して冷蔵庫で保管すれば、次にそば打ちする際に再利用できます。冷蔵庫で保管しないと気温によってはカビが発生するおそれがあります。

篩の種類

篩は目の大きさで使い分け、目の大きさの単位は「目」または「メッシュ」と呼びます。メッシュの呼び名は日本独自のもので、国際的な単位ではありません。メッシュの単位は、1インチ（約2.54cm）または1寸（約3.03cm）の間に糸が何本通っているかで表されます。1インチの間に40本の糸があれば40メッシュ、100本糸があれば100メッシュで、1寸の間の40本あれば40目、100本あれば100目です。

ちなみに、目をメッシュの単位に変換するには、目に0.8を掛けると算出できますので、40目をメッシュに変換すると40×0.8＝32メッシュだとわかります。
篩の目は、間の糸の数が多くなるほど細かくなります。100メッシュなどの目が細かい篩を使用するとそば粉が微粒子で揃うため、そば打ちがしやすくなります。反対に、40メッシュなどの目が大きい篩を使用すると粗いそば粉も入るため、そば打ちに高い技術が求められますが、風味豊かなそばに仕上がります。

・20～32メッシュ
こね鉢にそば粉を入れる際には、20～32メッシュの篩をおすすめします。また、手挽きした粗挽きのそば粉を篩うには、24メッシュが最適です。

・50～60メッシュ
打ち粉とそば粉の切れはしを分け、打ち粉を再利用するには、50～60メッシュの篩がおすすめです。

・80メッシュ
打ち粉を篩い分ける際には、80メッシュの篩が最適です。

そば打ち道具のお手入れ方法

そば打ちには、篩をはじめとした様々な道具が必要です。せっかくネットの販売店で美味しいそば粉をお取り寄せしても、道具が手入れ不足で不具合があれば、美味しいそばが打てません。毎回美味しいそばが打てるように、そば打ちの後はしっかりと道具のお手入れをしましょう。

・刃物から片付ける
そば打ちが終わったら、まずは刃物から片付けましょう。そば切り包丁の刃先にこびりついたそば生地は、固く絞ったタオルで拭き取ります。その後、乾いたタオルで水分を拭き取ります。

・こま板とめん棒
固く絞ったタオルで拭き取った後、乾いたタオルで水分を拭き取ります。

・まな板とのし板
まな板は水分を含むとカビが発生するおそれがあるため、できるだけ乾いた状態でお手入れしましょう。のし板は、そば粉やそばの切れはしを刷毛で取り除ききれいにします。

・篩
篩は、お手入れが簡単なステンレス製がおすすめです。篩は水洗いする前にできるだけ粉を落としておくと、こびりつきを防げます。