そば粉は非常に熱に弱く、製粉時に熱を与えてしまうと風味が逃げてしまいます。また、製法によっては、タンパク質やデンプンなどが損傷し酵素の影響を受け、風味や食感が損なわれてしまう可能性もあります。その風味や食感を逃さないために行われる製粉の方法が、この石臼挽きなのです。 石臼挽きは、摩擦熱をできるだけ抑えるように石臼をゆっくりと回転させ製粉しますが、石臼が摩擦熱を吸収するため、そば本来が持っている風味や食感を損なうことなく、そば粉を作ることができます。

石臼挽そば粉と一般的なロール挽き粉は、粒子の形状も異なります。石臼挽そば粉の場合はロール挽き粉と比べ、角がとれた丸みある粒子になっているため、周りには多くのデンプン粒がまぶされています。さらに、種皮部と子葉部の割合が高くなるためタンパク質や脂質も多くなります。 それだけでなく、石臼挽そば粉の場合は、ソバ全体が挽き込まれているため、ポリフェノールもたくさん含まれるなど、ロール挽き粉と比べても良質な成分量は多く、健康の面で見ても大変優れているのです。

石臼挽そば粉は、石臼でじっくりと回転させ製粉するので、粒子が均一ではなく、細かな粉から粗い粉まで満遍なく入っています。そのため、しっかりとまとまりやすい粉になり、手打ちがしやすく、つながりが良いので、つなぎの小麦粉を使用しない十割蕎麦も簡単に打つことができます。
そばを打ってみたい方やそば打ち初心者の方は、石臼挽きそば粉でそば打ちをはじめられれば、長くつながった美味しい蕎麦を堪能することができます。